読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

男が孕んだ話

男が女に変わる話、あるいはその逆は多々ありますが、『捜神記』を読んでいたら巻十四に男が男のまま孕む話が載っていて、非常におどろきました。

 東晋、元帝の頃、任谷(じんこく)という男が畑仕事の途中、木陰で休んでいると、突然羽衣を着た男が現れて、谷を犯した。事が終わるとすぐに消え去って行方も知れない。その後谷の腹は大きくなり、月満ちて子どもが生まれそうになったとき、羽衣の男がまた現れた。刀で下腹を切り開き、蛇の子を取り出して立ち去った。


女に変じて子どもを産んだ話のほうがまだ「ノーマル」のようにおもえます。「羽衣の人」と言えば、日本人はすぐに天女を連想しますが、「天から降りてきた」とは書かれていません。つまり天人とはいえないようです。

羽衣の男の目的は明白で、自分の子どもを得ることです。ならば、なぜ孕ませる相手が男でなくてはならないのか。陰陽からかんがえれば、陽×陰であれば天道に則った子どもが産まれますが、この場合陽×陽ということは、産まれる子どもは異常、異形ということになります。羽衣の男は蛇を孕ませねばならないので、女ではダメなのでしょう。男は天界の者ではないために、竜ではなく蛇なのか、とおもいました。つまり、蛇が羽衣を着て人間に化けた、ということなのですね、たぶん!

孕んだ男のほうは、女に変わることもなく、この事件のために去勢されて宮中に入れられることになったそうです。

 

広告を非表示にする